国際音楽療法学院での講義報告 [2016年01月08日(Fri)]
教育・研究課所属の井上の講演報告を、以下の通りさせていただきます。
昨年11月28日(土)に国際音楽療法専門学院(埼玉・川越市:http://www.ongaku-ryohou.co.jp/)で行われたスペシャルセミナーで、「「健康」に効果をもたらす音楽療法 〜体と心のハビリテーション〜音楽療法とエクササイズ」と題して講義をさせて頂きましたのでご報告致します。 今回の講義では、「健康」についてと「小児の肥満に対する音楽療法の効果」について調査をした内容を基本にお話をさせて頂きました。特に、音楽療法の理論を元に、体重軽減を促すにはどのような実践プログラムを作成したのか、その背景にある体重軽減のメカニズムを理解し、プログラムの実施を行なった結果はどうであったのかを時系列に紹介しながら、身近な疑問や、知りたいことを知るための調査・研究をすることの大切さも伝えました。 この講義には、20名前後の方が受講されていました。受講者は、音楽療法士を目指されている方々とこの学院の卒業生で、講義時間の2時間、休憩時間もない中、質問形式で行われた参加型の講義に、真剣に耳を傾けてくださいました。欧米、特に米国に於ける小児の肥満は年々増加しており、体重軽減の為のプログラムは、社会へのインパクトがあり大変重要な研究課題となっています。日本では、2000年はじめをピークに肥満傾向は減少されていますが、肥満傾向の子供が減ってきたといっても、ここ30年の間でみると2〜3倍に増えているといわれています。今後日本でも、音楽療法を基盤に子どもの肥満に対して体重軽減プログラムを作成し、実施できる方が増えることを願っています。 午後は、「高齢者領域における運動と音楽の関連性について」という講義が、理学療法士の中井真吾先生からありました。「継続することの大切さ」、「音楽療法=モチベーションに繋がる」、そして、最後のまとめにあった「単純な関節運動だけでなくリズム同調やパターン化された感覚刺激による機能向上」についての内容は、高齢者にかぎらず、小児におけるハビリテーションにも同様な部分が多くあると勉強させて頂きました。このような機会を与えてくださった学院の先生方、本当にありがとうございました。 当法人では、音楽療法を知りたい、音楽療法の講義を聞いてみたいという方を対象に出前講義を行っています。ご興味のある方は、是非お問い合わせください。出張講義にいつでも伺わせていただきます。 (文責:井上聡子) ![]() 講義中の様子 理学療法士 中山真吾先生と |